【読書記録】 消された一家
実際に起きた事件・北九州監禁殺人事件のドキュメンタリーです。
平成に起こった事件ですが、この本でこの事件を初めて知りました。
内縁の妻を暴力によって、マインドコントロールし、その家族7人を監禁・殺人した事件。
想像の域を超えた、サイコパスの仕業です。
主犯の松永は、自分では手を下さず、判断を下さず、言葉巧みに内縁の妻とその家族を操り、お互いに殺人・証拠隠滅を図りました。
そのやり方はここでは書けないくらい残虐な内容でした。何度も読み始めたのを後悔するほどに。 被害者を恐怖により、思考停止状態にさせ、お互いを憎しみ合わせ、殺人を手伝わせる。遺体の処理までもやらせる。ナチス下のホロコーストと似ている部分があります。
ナチスの強制収容所に関する本を読んでも、同じような現象が起きていたことがわかります。
囚人は互いを監視し、少しでも序列を上げるために、規律を違反した仲間を通報しました。時には、遺体の処理も進んで手伝いました。
人は度重なる虐待によって、自分の身を守るため、倫理感をなくし、人の心をなくし、家族までを殺すことがあり得ると言うことです。
松永がなぜこのような犯罪に手を染めたか?その心理は?これはまだ良く分かっていません。
彼は死刑判決を受けましたが、未だに獄中で無罪を主張し続けています。